…私の目の前にいる彼女は、蒼の瞳に雫を溜めながら真っ直ぐに私を見据えていた。
煌めく蒼。
その瞳に映り込む私は…どこまでも穏やかな表情をしていた。
何故?…彼女は泣いてしまいそうなのに。
…それはきっと
「フェイトちゃん」
涼やかな声音が耳に届く。
「…なにかな?」
やはり瞳に映る私は穏やかに微笑んでいた。
「…私、ね」
「うん」
彼女はぐっと唇を噛み締め、俯きながら、言葉を繋げた。
「―――最近、気持ちのずれを感じるの。フェイトちゃんとの。だって……フェイトちゃんの、………っ」
…なのはは、小さく肩を震わせた。
私は…抱く気持ちのそのままに彼女を抱き寄せ、背中をさする。
「…大丈夫」
囁けば、彼女の手が私の背中の衣服を握り締めた。
「フェイトちゃんの瞳が…とても優しく私を見てるの…。私に向ける笑顔はいつのときも穏やかで、…温かいの」
「…」
「それが嫌な訳じゃないの!ただ、私はそんなにも優しく貴女を見れないし、貴女に向ける笑顔はきっとぎこちないっ。…貴女に見つめられると胸が痛くて、高鳴って、…私はフェイトちゃんみたいに…接せられない…」
「…」
「…今だって、………フェイトちゃんの鼓動は落ち着いてる。…私は、今にも張り裂けそうなの。…抱き締められて、体が熱くて、けれどっ、…貴女は………」
―――彼女の早鐘も、高い体温も、私にとってはとても心地良いものだ。
彼女の体を更に自らに引き寄せる。…その体は一瞬、強張った。
「ねぇ…フェイトちゃん」
埋まった顔から呼び掛けられる。
そしてなのはは私から体を少し離し、煌めきの増した蒼で私に問うた。
「…貴女は、私が…好きなの?」
雫は、とうとう頬を濡らした。
―――私は、
彼女の全てを包み込みたくて
彼女の全てを私で満たしたくて
…ただ
それを性急に押し付けるような焦りはなくて
例えるならそう…やはり私の感情は、どこまでも穏やかで、緩やかなのだ。
あれほど荒れ狂っていた奔流のような感情の起伏はもう感じない。
…後に残るのは虚無感ではなく、純粋な…
「…なのは、私は」
―――今、抱く感情は、
「…好きだったよ」
伝えたことで、更に強張り雫を零す君が
私は…とても
「―――愛しているんだ」
……それは、
【恋の終わり】
抱く感情は、深い“愛情”。
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今回のテーマは“恋”と“愛”の相違。
敢えて此方で語ることは抑えます。
詳しくはなのはちゃん視点で><
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