真ん前に見える背中に迫る。ぱたぱたぱたぱた早歩きして。
出来る限り足音を消す努力。気付かないでって小さく祈って、いや気付いてもらえたらそれはそれで嬉しいんだけど。…いや、やっぱり今はそれはナシ。
さぁ…もう一歩、二歩。ぐんぐん近付く標的目掛けて
この手を伸ばして、息吸って
「―――わぁッ!!!」
ビクッと跳ねる肩を流し見て。驚きに瞬く両目はまん丸。
にゃはっ、大成功っ!
「なっ、なのはっ」
焦った声音のフェイトちゃん。通学鞄まで取り落とすなんて可愛いなぁ…。
声を出したと同時にフェイトちゃんを追い抜いて、二、三歩そのまま軽くスキップ。
そして、利き手を上げて振り返る。
「―――ばいばいっ!また明日っ!」
【追い越してさようなら】
そう言って走り去っていくけど、“言葉の通り”はまだまだ先だねっ。
「待ってよなのはーっ!」
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いたずらをきっかけのおいかけっこ。さようなら?追いかけるからまだ先さっ!!!
…取り敢えず追い掛けてさようならを言って欲しかったんだ。それだけなんd(ry
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